前立腺肥大症による勃起不全
混合性の勃起不全の中で基礎疾患として1番多いのが糖尿病ですが、次に多かったのが前立腺肥大症です。
最近の疫学的の研究報告を見てみると、下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)を呈する患者さんは、勃起不全である可能性が上昇すると言われており、排尿障害と性機能障害は非常に強い関係を示すと言われています。
LUTSの患者さんはの大部分は前立腺肥大症です。
前立腺肥大症の治療はお薬を飲むこと(α1ブロッカーや抗アンドロゲン剤など)とTUR-Pが主な治療法とされていますが、副作用がありまして、たまに逆行性射精、性欲の減退、勃起不全を引き起こすことがあります。
前立腺肥大症を中心としたLUTSを呈する中高年のある患者さん104人に、排尿機能と性機能についてアンケート調査を行いました。
71%が性的活動を維持しており、今後も性機能を維持したいという結果でした。
調査した患者さんの60%が勃起不全であり、勃起不全の患者さんの約3分の1がバイアグラの服用による治療を希望しているとの結果が出ました。
また別のアンケート調査で前立腺肥大症の186名のある患者さん(年齢は44~90歳、平均年齢69歳)は、勃起機能の維持を希望した人は179名中131名(64%)で、50代は91%、60~70代は68~60%でした。
また勃起不全は180名中131名(73%)で、治療希望者は177名中36名(20%)と、ほぼ同様な結果が出ました。
このことから前立腺肥大症の治療を行う際、治療で勃起不全を発症したのではなく、すでに勃起不全だったことが多いということがわかりました。
ここで症例です。
Hさんは64歳で、前立腺肥大症と診断され八味地黄丸3包、ハルナール(0.1)1cap、メイラックス1mg(抗不安剤)を飲んでいました。
薬を飲んで夜間排尿は4回から2回に減りましたが、セックスはできるが射精しなくなってしまいました。
メイラックスをやめると、射精できるようになりましたが、射精したときの精子の量が少なく、勃起も持続しないとのことでした。
この2~3年前から朝勃ちはなく、IIEF5は12で中程度の勃起不全でした。
テストステロンが1.49ng/mlと低い値でしたが、簡易NPT測定で最大2.0cmあり、機能性の勃起不全という診断になりました。
治療の経過はバイアグラ50mgを飲んで、勃起が射精まで持続するようになりました。
満足のいくセックスができるようになり、夫婦関係も仲睦ましくなり、毎日の生活に充実感があり、仕事にも意欲が出てきたとのことです。
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